お正月におせち料理やお雑煮を食べる際には、祝い箸を使います。
昔からの慣習の1つです。
祝い箸の形の由来や意味について知っている人は少ないです。
ここでは、祝い箸の意味などについてご紹介します。
祝い箸とは?使ってよい方向が決まっている?

お正月に当たり前のように使っている祝い箸。
その形は独特で、両端が細く、真ん中が太くなっています。
通常の箸は、片方の端は細く、もう一方の端は太くなっています。
両端が細いということは、両方を使ってもよいということでしょうか?
さすがに両方を使うというのは考えられないので、すぐに誤りであるとわかります。
それならば、片方は自分で食べる用で、もう一方は取り箸用なのでしょうか?
一見正しいようにも思えますが、これも誤りです。
祝い箸はどちらでも使えそうな形になっていますが、実はこれには特別な意味があります。
片方は自分で使いますが、もう一方は年神様が使います。
そのため、両方を使うとバチ当たりになると言われています。
おせち料理もお雑煮に入っているお餅も年神様へのお供え物です。
そのお供え物を私たち人間がいただき、新年の幸福を祈願します。
つまり、年神様と人間は同じおせち料理とお雑煮をいただきます。
そのため、両端が細く作られているのです。
このように考えるとわかりやすいですね。
箸の真ん中が太くなっているのは、米俵を意味し、五穀豊穣を祈願しています。
子孫繁栄を祈願して妊婦のお腹も表しています。
材質が柳なのは厄を払うという意味合いがあります。
柳は神が宿る霊木とされています。
祝い箸はいつまで使う?

祝い箸をいつまで使えばよいのか気になりますね。
お正月の期間使えばよいということはわかりますが、それがいつまでなのかわかりません。
実は、地域によって使う期間が異なります。
三が日(1月1~3日)だけというところと、松の内の期間中ずっと使うというところがあります。
松の内は、関東では7日まで、関西では15日までというのが一般的です。
昔からの慣習なので、どちらかが正しいという訳ではありません。
祝い箸は洗う?洗わない?

祝い箸を洗うか洗わないかで迷っている人がいるかもしれません。
実は、特に決まりはありません。
食事の都度洗って袋に戻しておくのが一般的です。
地域によっては、洗わずにそのまま袋に戻しておきます。
どちらでもよいのですが、衛生上気になるのなら洗うとよいです。
祝い箸の処分方法

祝い箸の処分方法についてご紹介します。
基本的には、しめ飾りなどの正月飾りの処分方法と同じでよいです。
どんど焼きで燃やしてもらうのが一般的です。
つまり、神社やお寺などでお焚き上げをしてもらうのです。
家庭の一般ゴミとして処分してもOKです。
もちろん、家庭の一般ゴミと一緒に出してはいけません。
祝い箸を塩で清めてから新聞などで包み、一般ゴミとは別の袋に入れて出すのが正しい方法です。
ただし、地域のゴミの出しの方法に従う必要があります。